ブラッド
 何もないと言いたいらしい。


 それに相方はあくまで事件本体を追っている。


 二件の惨殺事件を引き起こしたと目される容疑者二名を、ストレートに追跡するつもりでいた。


 それはそれで筋が通っていていいのだが、果たして……?


 そんなことを思いながら、また前方を見つめ続ける。


 眼を凝らし、注意を集中していた


 事件も時が経過すると、色褪せる。


 捜査中は常にタブレット端末を携帯していた。


 メモ帳代わりに、だ。


 記録を付ける。


 事件に関し、分かったことなどを断片的にでもいいと思っていて。


 昼になり、街のカフェで軽食を取った後、またG市内を巡回する。
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