ブラッド
第10章
     10
 伊里町がタクシーのハンドルを切り、随時ギアを入れ替えながら、街を走らせる。


 助手席にいて、前方を見やるか、手元のタブレット端末に目を落とし、凝らしながら見ていた。


「佐山」


「はい」


「今回のヤマはデカいぞ。県警も従流会を叩き潰すための格好の餌をもらったな」


「まあ、そうですね。……ですが、捜査は進むでしょうか?」


「ああ。どうやってでも進めるんだ。俺も久々にいい仕事させてもらってるって思ってる」


 伊里町がハンドルを握りながら、軽く笑う。


 警察車両のタクシーは街を走り抜けた。


 時折窓を開けると、熱風が入ってくる。


 吹かれながら、上を見上げると、ギラギラと太陽が照らす。


 燦々とした光が、俺の目を焼いた。
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