ブラッド
 眩しい。


 そう思い、あえて目の上に手を翳す。


 事件捜査は目立って進展することもなく、膠着しながら、流れていく。


 段野隼人は所轄の取調室で、繁華街での暴行の一件を認めたようだ。


 7月も終わりが近付くと、盛夏である夏に向け、一気に時間が経つ。


 定められた時間軸通りに時が過ぎ、一分一秒前も過去のものとなる。


 俺たちもずっと街を走りながら、現場を中心に見る。


 翌週の土曜も午前8時半には所轄の帳場に出勤し、デスクでパソコンに向かう。


 朝から捜査本部には一課の刑事に、暴対のデカ、そして何かと陰に隠れがちな組対関係者も揃っていた。


 組対は普段から裏でいろいろと画策する。


 警視庁にある公安特殊部隊のチヨダと、原理や仕組みが全く同じだ。


 いつもは事件の裏側にいる。

 
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