ブラッド
第11章
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 段野隼人は繁華街で暴れ回った際、事前に薬を打っていたらしい。


 シャブ中のマルBならよくあることだ。


 県警もその程度のことなら、適当に調書を書いて、送検する。


 ある意味、俺たち警察は日頃から様々な事件を捜査し、いろんな犯罪者をパクる。


 捕まえた人間のことなど、正直なところよく分からない。


 だが、所詮はその程度ということだ。


 現役の刑事でさえも。


 それだけ世の中、犯罪者で溢れ返っている。


 人間の特徴など、一々事細かく調べる余裕はない。


 警察の業務は迅速さ優先だ。


 常日頃からそう思っている。


 そして伊里町と組み、連日捜査に出た。




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