ブラッド
第2章
     2
 G県警捜査一課のデカが所轄に来てから、すぐに捜査本部が立ち上がった。


 事件に関し、捜査会議が行われる。


 後頭部を鉄パイプのようなもので殴打され、死亡したのは、県庁所在地であるG市内在住の金子雅夫という男性だった。


 害者は後頭部を凶器で数度殴打されている。


 財布などが物色されてないところを見るに、怨恨の線が濃厚だ。


 そして俺たち警察官は連日近辺を捜査する。


 夏の暑さで疲れていた。


 だが、やるしかない。


 そう思い、現場となった駅前近辺を絶えず探る。


 疲労は襲ってきた。


 事件から一週間ほど経った6月中旬過ぎに、俺と伊里町は現場付近を捜索する。


 暑さと梅雨特有の湿気で、不快感が増す。
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