ブラッド
 午前8時半には所轄の帳場へと行く。


 伊里町は遅刻が多く、午前9時を回った頃ぐらいにしか来なかった。


 だが、相方は捜査慣れしている。


 ベテランなのだ。


 警察官としての力は強い。


 何せ、体育会系の人間なので、遠慮なしに肉体を使っている。


 それにタクシーで走り回っていても、必ず見当を付けてから、動く。


 神業だった。


 一課のデカとして。


 それにしても、段野が二年前の三宅警部補殺しに絡んでいたとは……。


 さすがはマルBのやり口である。


 警官殺しさえも躊躇わない。


 おまけにあの連中は、警察の心理を煽るかのようだ。
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