ブラッド
第13章
     13
 段野隼人は新たな殺人疑惑で追起訴され、検察へと送検された。


 俺も伊里町も、他の捜査員たちも安堵する。


 だが、段野が立件されても、従流会は依然このG県内においては幅を利かせていて、正直なところ、予断を許さない。


 警察は常に捜査対象――いわゆるマル対を追っていた。


 ヤツらの陰が闇の中にチラつく。


 街の繁華街では、風俗店等での女性売春に、違法ドラッグなどの横流しなどが絶えず行われているだろう。


 連日蒸し暑い。


 8月の第一週もエアコンがないと過ごせないぐらい、昼間や夜間は温度が上がる。


 朝方、自宅マンションのベッドで起きて、コーヒーとフルーツで朝食を済ませてから、スーツで出勤していた。


 毎晩の入浴時、冷水シャワーで体を冷やして、眠る。


 酷暑は人間の体力を奪っていく。
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