ブラッド
 事件捜査に悪は付き物である。


 段野を追起訴しても、ヤマにおける陰は残る。


 まるで新たな悪性腫瘍でも見つかったように。


 捜査の合間、合間に食事を済ませ、後の時間は絶えずぶつかる。


 下古毛は今頃、身を潜めているだろう。


 現役警察官の癖に、警察を裏切った輩だ。


 許せない。


 心の中に激しい憤りが湧き起こった。


 そして太陽に照らされながら、伊里町と組み、動き続ける。


 まるで日雇いにでもなったかのように、メンツもプライドも捨ててしまって。
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