三次元のキミに恋をして。
「じゃあ...俺、後片付けしとくよ。」

「あ、ありがとう...じゃ、じゃあね」

「...じゃあな...」

私は、早足でその場を離れた。

校門を出てすぐの曲がり角に背中を預けた。

ドクン ドクン

自分の心臓は、今も大きな音を立てている。

「な、な、な、なんでぇ...」

こんなことありえない。

これは...きっと、恋。

いいや、絶対、恋...してる。

少女漫画をよく読んでる、私にはわかるよ。
そんなに、鈍感じゃないし...

私...成海君を好きなんだ...。

で、でも、ありえない。

成海君の笑顔を見ただけで、恋に落ちるなんて。

そんな、漫画みたいに、一瞬にして恋に落ちる事があるなんて...思ってもいなかった。

「ど、どうしよ〜」

私は、おそらく真っ赤な顔を手で覆う。
< 22 / 24 >

この作品をシェア

pagetop