☆お見舞いに来てください☆

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季節は夏。
日本から少し離れ飛行機で約7時間。
ある目的の為にやってきたのは常夏の楽園ハワイ。

過ごしやすい6月を選んだのは決して観光が目的ではない。いや、もちろんそれもあるのだけど。

一番の目的は今日はここで人生で最大のイベント。一生に一度の晴れ舞台が待っているからだ。


「ーーまぁ、綺麗な花嫁さんだこと」

「あ、ありがとうございます」

「こんな美しい花嫁は見たことがないわ。ねぇ、秀もそう思うでしょ?」

「ええ」


少し俯き加減で目の前の大好きな人を見上げる。
下から輝くのはエナメル素材のフォーマルシューズ。

更に上を見れば柔らかく上品な光沢が美しい上下ホワイトカラーのタキシード。
ラペルから裾にかけてさりげなくライトグレーのサテンを差し込み、ベスト、タイ、ボタンなど、グレーの濃淡で立体感のあるスタイリングという完璧な装いで私を愛しそうに見つめるのは私の恋人、皆川秀先生。


「とても綺麗だ」


私を上から下へと全身を見つめ、甘く爽やかな笑みを向ける彼は今日一番の詠嘆の声をもらす。
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