満月の夜に優しい甘噛みを
・・・

「やっと退院か・・・。

長かったな。」

退院当日。

俺の横にいるのは俺が想ってる人・・・

じゃなくて爽河。

(・・・曖來あの日以来会ってないな。)

何してるんだろう。

何を考えてるんだろう。

会いたい・・・。

そう思った俺はとっさに

「・・・爽河。お願いがあるんだけど。」

「・・・料金1000円ね。」

「じゃあ、いい。」

「嘘だよ嘘!じょうだん。なんだよ。」

「・・・その、曖來のことなんだけどさ。」

俺が全部言い終わる前に爽河は

「わかったよ!つれてきてあげるね。」

そういって走っていった。

(ったく。病院内ではお静かに・・・だろ)

曖來・・・。

俺はそれだけを願って待っていた。
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