満月の夜に優しい甘噛みを
「・・・うん。じゃあね。凛叶。」

「・・・青空!行こ!」

「おう!

じゃ、失礼します!」

すると青空ってやつが俺の耳元で

「俺は曖來を悲しませないですから。

あなたと違って。」

そう言って曖來達は、

人ごみの中に埋もれていった・・・。

手を繋いだままで。

(・・・俺何やってんだろ。

好きなやつとられてすぐ引き下がって、

グズグズしてんだろ・・・。)

いくら気になっても入り込めない領域が

今の俺にはある。

あの時俺はどうしてたら・・・。

無理矢理でも会って話すべきだった?

でも、そんなことしたら重たいか・・・。

(・・・やばっ。

爽河のことすっかり忘れてた。)

そんなことを考えながら元来た道を戻り、

爽河のいる所に急いで向かった。

曖來。

幸せになれよ。

俺みたいなんにつきあってくれてありがとう。

さよなら。
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