最初で最後の恋。
初めての恋、

私の日常

私は夕空楓(ゆうぞら かえで)ごく普通のサラリーマンの娘でごく普通の女子高生である。

私は平凡な日常が全てだと思っていた、いや今も思っている。

今日も今日とて何も異変は起きず何時もの日常を過ごしてもう帰り道。
振り返れば雲から夕陽が零れマンホールに反射して道がまるでライトアップされているかのように綺麗だ。

これは私の日常生活の小さな幸せだ。
この小さな幸せを感じながら過ごすのが私にとっては楽しいことで。

「ただいま。」

おかえりと優しい母の声が家に響く、もうそろそろ父も帰宅する。

大らかな母と優しい父は私の自慢だ。

もう一人、ただいまと声がする。
私には歳の離れたお姉ちゃんがいる、美人でスタイルが良くて腹黒…じゃなくて優しいこの人も私の自慢だ。

何時ものようにご飯を食べお風呂に入りふかふかの布団に寝る。

気持ちよさすぎる布団に包まれ暖かさに負け友達にメールの返信をせずに寝る、すまない友よ。

大切な一日を何事もなく終え人生の転機となる明日へと向かっていることにこの時の私は気付きもしなかった。
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