最初で最後の恋。

修羅場?


「さ、悟にい!おおおおかえりなさい、!」

焦る私を他所に悟にいはじろじろと浅井君を見た、というより睨みつけている。
さっきまで綺麗で時間を忘れるほどの夕日は私を問い詰めるように紅く私達の頬を照らす
雨上がりの澄んだ空気は本当は気持ちが良いはずなのに何故だろうか重苦しい雰囲気を作り出していた。
その苦しいほどの空気を切り裂いたのは浅井君の少し低い渇いた声だった

「カエデさん、この人は?」

普段は夕空さんと呼ぶ浅井君が急に下の名前で呼ぶから心臓がどきりと跳ねた

「えっと、知り合い…かな、」

私の苦し紛れの紹介が不満だったのかおいと声を上げる悟にいの背中を押して家の方へ押すと浅井君に
「送ってくれてありがとう!また明日お礼するね!」
と言い悟にいの腕を引いて家に入った
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