最初で最後の恋。

翌朝




それから普段通りに過ごして、でも心はずっとどうして?とはてなを浮かべたまま。
気分転換しようと思っても思っても、何をしてても心は置いてけぼりで
お風呂場に行っていつもみたいに身体を洗って、髪を洗って。
シャワーのノズルから水滴が落ちる度現実なんだと自覚させられる、鏡に映る私はどうしようもなく不細工で下手くそな作り笑いを浮かべてる
湯槽に入ってもなんだか気分は重苦しい、まるで黒いドロドロのアメーバ状の水に入っているみたいに黒い気持ちが纏わり付いて剥がれてくれない。

そんなとき、部屋に戻ると浅井君からメッセージが着てた

『さっきはごめんね、下の名前で呼んで。』


簡潔な文章、でも良かった






救われた。

『ううん、嬉しかったから大丈夫!仲良く慣れた気がして、ありがとう。浅井君』

そのうちうつらうつらと眠くなりそのまま机に突っ伏したまま寝ていた
いつの間にか掛けられた毛布に朝起きて気付いてまた頭が混乱した

取り敢えず時間を見ようと携帯の電源を入れると浅井君から

『じゃあこれからも呼んでいい?』

と着ていて返信しようとロックを解除しているといつもなら家を出ている時間ということに気付き急いで着替えて家を出た
朝起きると悟にいは居なかったからきっと仕事なんだと理解して家を出た

学校に急いで行くと丁度校門の前で浅井君が告白されている場所に直面してしまった

「浅井君、この子だれ」
と言う女の子の視線がピリピリと痛くて少し後退りをして謝ってその場を離れようと足を後ろに伸ばすと浅井君が、俺今彼女募集してないからと言い昨日の私の様に私の腕を引いて歩いて立ち去った。


「ご、ごめんね、なんか大事な所だったでしょう。」

「ははっ、やっぱり夕空さんて馬鹿だねっ、!逆に助かったよ、ありがとう。」


もう確実に遅刻だからどっか行かない?という浅井君のお誘いに、いつもだったら乗っていなかったけど今日ばっかりは助かった。
悟にいを忘れたかったから
罪悪感もあったけど、悟にいのことを考えたときの混乱とは比べものにならなかった。
だってずっと好きだった悟にいが私なんかにあんなこと



取り敢えず夕佳に休む連絡を入れてと頼み、浅井君と学校の付近を離れた。

「どこ行こっか?」

浅井君は優しい

色んな感情渦巻いて泣きそうな私に気付いて、そっと手を引いてくれた。

「うち来る?」


「へ?」
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