最初で最後の恋。

大好き




「カエデ?どしたの、」

振り返るとそこには夕佳が制服のまま立っていた。
泣き顔を見られるのが恥ずかしくてなんでもないと強がって下を向く
勿論、幼馴染にそんな誤魔化し効かなくて
「嘘つくな、そんな顔して。」
なんて夕佳にまで気を使わせて、本当私なにしてるんだろう
夕佳がわざわざ気を使って公園に連れて行ってくれた、道端で泣いてるのは変だからと。

「浅井ってヤツになんかされたか?」

「ううん、は、浅井君はいい人だよ。」

春くんと言いかけて浅井君と言い直したのは夕佳にだけは誤解されたくなかったから、親友だから。
そっかと笑う夕佳につられてふふふと声を出して笑った、なんだかとても幸せそうでこちらまで嬉しくなる

「やっと笑った、久々に見たよ。カエデの笑顔。」






そっか、そう見えたのか。


「ありがとう、夕佳。

大好き、」

夕佳は座っている私に向かい合わせる様にベンチの前にしゃがみ私の方を向いて笑顔を浮かべた
そして、
「それは親友として?」



「え、?」


夕佳は私の頬に口付けると
「俺も男だからな、んな可愛い顔すんな。」
そう言ってさりげなくカーディガンを私にかけて帰って行った。
どうして、夕佳までそんなことするの?
私今いっぱいいっぱいなのに、


秋口に相応しい色付いた楓がハラハラと落ちていた。
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