最初で最後の恋。

ぼろぼろだから



こんなにも携帯を壊したくなったのは初めてだ
メールを見る度にどうしようもなく哀しくなる、もう元の関係に戻れないのかなあ。とか
悟にいはあの日以来ずっと夜更けに帰る様になった
人肌恋しい秋、私はひとりぼっちで食卓につく
一人で座る食卓は居心地が悪い、自分で作ったご飯は美味しいけど不意に思い出すんだ
お母さんがご飯を作って待ってて、家の前に着いてすぐ夕飯の匂いが広がってて私がお母さんの手伝いをしているとお腹を空かせたお父さんが笑顔を浮かべて帰ってくる
そしたらお姉ちゃんが帰ってきてお腹減った〜って笑って、そしてみんなで食卓を囲んでお母さんが作ったあったかくて涙が零れそうなくらい美味しいご飯を食べて
今日あったことをみんな笑って話してご飯が食べ終わったらお風呂よーなんてお母さんが言ってるそんな日常を。
目の前が滲んでぼやけた、それから冷たい水が頬を伝って食卓に落ちる

自分勝手に作った状況にこんなに哀しんで泣くなんて


神様、もう許してよ


もうぼろぼろだから。

もう何もしないから




あの時一緒に焼けてたら幾分違ってたのかな
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