あなたにspark joy
私は、至近距離からこちらを睨み付ける佐伯さんに続けた。

「わざと私にシリアルIDを教えてくれなかったんですか?」

佐伯さんが大きくため息をついて天井を仰いだ。

「なに、変な言いがかりはよしてよ」

そこまで言った後、再び佐伯さんは私を見下ろしてニヤリと笑った。

それから小さな声で呟くように続ける。

「……仮の話だとして……だったら、なに?」

その瞳が、IDをわざと教えなかったと語っていた。

嘲笑うかのようなその眼差し。

許せない。

シリアルIDを教えてくれていたら、前田さんにあんな事をされないですんだのに。

悔しくて全身が震えそうになった。

感情に任せて怒鳴り付けてやりたい。

でもそんなのダメだ、分かってる。

私は両目を閉じて深呼吸をしたあと、佐伯さんを見つめた。

「シリアルIDの件はもうすんだことです。でも」
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