あなたにspark joy
こちらに気付かないのをいいことに、俺は何度か彼女を見つめた。

今時の女子と言うこと以外、ずば抜けて美人なわけではなく、どちらかと言えばなんとかメイクで年相応に見せていそうなほど、顔立ちはあどけない。

……女は愛嬌といったところか。

いや、愛嬌のある女性なら他にたくさんいるだろうに……。



そんな時、大学時代の友人から飲み会に誘われた。

人伝に俺が佐伯麻耶と別れたと聞いた佐田が、自分の彼女の親友とやらを紹介したいと言い出したのだ。

コンパ……女性との飲み会の類いが苦手な俺は、ノラリクラリとそれをかわし続けた。

三ヶ月前に別れた恋人……佐伯麻耶とも、取引先の社長達の飲み会で出会った。

佐伯グループの令嬢を無下に出来なかったし、俺に対する彼女の好意や、周りのお膳立てもあり付き合うことになったのだが……性格が合わず彼女に対する愛情は育たなかった。

人事部長のコネで既にうちの会社で採用していた麻耶は、俺と恋人関係を解消してもデザインタフに残った。
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