あなたにspark joy
「家どこ?」

「……えっと……さあー」

「…………」

さあー……と言った私を篠宮慶太は一瞬真顔で見た後、あからさまに大きく息をつくと私を抱えたまま歩き出した。

どこに行く気なんだろう。

もしかして特殊能力で私の家が判ったとか!?

まさかね、エスパーでもあるまいし。

斜め上にある篠宮慶太の顔は真っ直ぐ前を向いていて今はもう、私なんて一ミリも見ていない。

……しかし綺麗な顔だな。

綺麗だからって別に中性的な訳じゃない。

むしろ男らしい顔つきだけど、ひとつひとつのパーツが整っていてバランスよく収まっていて……。

中でも眉の形と涼しげな眼がとても……。

あ、口も、口も綺麗。

薄すぎない唇が素敵……。

それにしても、一体どこに……。

篠宮慶太の一歩一歩の振動が、心地好い。

はあー……グー……。
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