あなたにspark joy
作業服の篠宮慶太も、適当にワインを飲んで談笑している。

私はチラリとその笑顔を盗み見した。

……セクシーだ、確かに。

切れ長の目元に、僅かに甘く滲むような微笑みがゾクゾクする。

だが作業服!

佐田君は家業をついで次期社長だし、有賀さんだって起業年数は浅いがなかなかの有望株。

それに引き換え……目の前の作業服は、どうよ。

絶対に社長じゃないと思う。

いや、誰も社長としか付き合いたくないとか、そんなんじゃない。

でも嫌。

ダサい男は嫌なのよ。

「そろそろお時間でーす」

若いスタッフの声が私の心を掬い上げる。

助かった、もう帰りたい。

会計を済ませて店を出たところで、佐田君が瞳の肩を抱きながら、私と一番後ろにいた篠宮慶太を交互に見た。

「慶太、恵里ちゃんは有賀が送るから、お前は真優ちゃんを頼んだぞ。じゃあな」

「じゃね、真優。また連絡するから」
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