無口な私の復讐劇


男女二人組が腕を組んでホテルから出てきた。

そして手を振って別れた。

チャンス。

中西乃々華と畑中優希はタクシーに乗り、海岸へ向かうらしい。

学校にいる時に盗聴器と発信機を仕掛けていて正解だった。

あそこの海岸は人がものすごく少なく、自殺スポットとしても有名だ。

これはラッキーだ。

「今日もハッピーだったなぁ…!」

「そうだね、でも今日はなんか嫌な予感しない?」

「そう?
優希と居られるからそんな予感、何にもしないよっ!」

「もぉ、乃々華ったら…」


――――――ピッ―――

送信っと。

近くでメールの着信音が二種類、同時に聞こえた。

「「私か」」

「優希もかっ!」

「あの男達からかな?」

メールを開けると、二人は驚愕していた。

薄暗くて表情があまり見えなかったが、声にならない声で叫んでいた。

畑中優希はひどくもどしている。


「どうしよう…どうしよう…」

「の、乃々華…」

私の出番かな。

そろそろ行ってあげないと、ね。


「やっほー、こんな夜遅くにどうしたの?」
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