無口な私の復讐劇
本当にどうしよう…。
勝手に死んでくれないかな。
自殺…。
――――――ピ----―――
何か音が聞こえた。
「ま、まさか…!?
笑優さんはここに居てね、安心して」
『ま、まさか!?』ってことは…。
しかも音が聞こえてきたのはここの隣の病室であろう。
つまり…。
北条則江の病室。
どうせ死ぬだろうし行かないでいいや。
数分間、病室周りがバタバタしていたのが収まって、やっと静かになった。
するとさっきの看護師さんが入ってきた。
「さ、さっきは…ど、どう…したんですか……?」
看護師さんは悲しげな笑顔を見せて、『則江さんが亡くなったのよ』と告げた。
私は顔を伏せた。
看護師さんは背中をさすってくれる。
やめてくれ…。
やめてくれ……!
笑いがこみ上げてくる…!!
背中をさすられたらバレるじゃんか。
北条則江が死んだなんて、嬉しすぎる。
やっと…、やっとアイツが死んだんだよ。
私を痛めつけた奴が。
あぁ、遺言でも聞くべきだったかな。
最後に弱音を吐く北条則江の姿を目に焼付けておけば良かった…。