無口な私の復讐劇

七月十七日、月曜日。

曇り後、雨、最高気温二三度。

少しジメジメしているが、今の私には丁度良いだろう。

今日で最後。

いよいよ私の復讐が終わる。

どうだったかな。

警察は私を疑っているのか。

でも証拠は全て隠滅した。

フフフ。

もうすぐ九時。

矢田月音が迎えに来る。

矢田月音の家でいいか。

二人きりになれそうだし。

親にバレそうになったら誤魔化すか、自殺しよう。

その時のシチュエーションに合わせる。

「や、山田さ〜ん…!私の家来ない?」

「私もそのつもりだった」

『やったー』と無邪気に喜ぶ。

どうでもいい。

私は無視して歩き続けた。

電車とバスを乗り継ぎ、着いたのは…。

「でっか…」

私でも驚くほどの豪邸。

矢田亜美咲が社長に引き取られたんじゃ…?

てことは母親もかなりの金持ち…だったり。

「さぁ入って」

「お、おじゃま…します……」

きつい芳香剤の香り。

これは異常だぞ。

家には誰もいない様子。

こんな広い家に一人で住んでいるのか…?

矢田月音に付いていくと、二階のある部屋に入った。
< 66 / 74 >

この作品をシェア

pagetop