都合の良い恋人の関係
「来て」


拓都に呼ばれて近付くと


ふわりと優しく抱き締められた。


「え、あた、拓都。」


「シッ」


「好きだよ。」


「「きゃー」」


外野の声が響き渡る。


耳元でささやかれた言葉に顔を赤くする。


「彩も」


誰にも聞こえない声で言われる


「わ、私も好きだよ。」


今度は男子からの歓声が高い。


何気に拓都の耳も赤い気がした。


抱き締める力が弱まると隙をついておでこにキスをされた。


チュ


「じゃあね」


そのまま開放される。


「うん、じゃあね」


平常心を保ちながらそっとその場を立つ

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