雨上がりの恋







「すいません。今日、もう終わりーーー」






なんで…


なんで…いるの?


どうしてここにーーー、ううん、ちがう…


期待してた。


ここに来れば、


またいつか、


会えるんじゃないかって、


心のどこかで


ずっと、


ずっと、


待ち望んでいた。










だけど…、


「ごめんなさい。終わりなら帰ります。」


直ぐにドアを閉じ、店を後にした。


早くここから立ち去らなきゃ。


会いたかった。


心のどこかでずっと追い求めていた。


だけど、会っちゃいけない。


会ってはいけないの。


でないと、あの二年前の決断が無駄になる。


自分が嫌になって出した、あの決断が。


足を早めるも中々、地下鉄の入り口が見えてこない。


すると、


「待ってって。」


「えっ、」


腕を強く引っ張られた。


「待ってって。俺、離さないから。ちゃんと話せるまで今日は、離さないから。」


少し息を切らせた彼が熱い目で私を見た。











< 29 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop