雨上がりの恋
「すいません。今日、もう終わりーーー」
なんで…
なんで…いるの?
どうしてここにーーー、ううん、ちがう…
期待してた。
ここに来れば、
またいつか、
会えるんじゃないかって、
心のどこかで
ずっと、
ずっと、
待ち望んでいた。
だけど…、
「ごめんなさい。終わりなら帰ります。」
直ぐにドアを閉じ、店を後にした。
早くここから立ち去らなきゃ。
会いたかった。
心のどこかでずっと追い求めていた。
だけど、会っちゃいけない。
会ってはいけないの。
でないと、あの二年前の決断が無駄になる。
自分が嫌になって出した、あの決断が。
足を早めるも中々、地下鉄の入り口が見えてこない。
すると、
「待ってって。」
「えっ、」
腕を強く引っ張られた。
「待ってって。俺、離さないから。ちゃんと話せるまで今日は、離さないから。」
少し息を切らせた彼が熱い目で私を見た。