勘違いという恋の駆け引き


そんな話も含めながら
優さんとたわいもない話をしていた

短大の話から
バイトの話
優さんが質問を投げかけてくれて
私が答えるという会話だ
それだけでも楽しくて
やはり私から見たら
いつまでたっても大人の男性だ


『あ、ここなんです』


あっという間に着いてしまったアパート
残念な気持ちにはなるものの
優さんと少しでも話せた事が
何よりも嬉しかった


『送っていただき、ありがとうございました!』


優さんが持っているお弁当バックを受け取ろうとしたが
優さんは渡してくれない
あれ?と思ったのは一瞬
優さんに手首を掴まれ引き寄せられた


「俺の女になれ、藍のこと…骨の髄まで愛してやる」


耳に聞こえた聞きなれない優さんの声と
唇に何かが触れた


気がつけば手にはお弁当バック
視線の先には
優さんの後ろ姿だ

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