また、部屋に誰かがいた
部屋に誰かがいた【続・改造手術】
小島正和は35歳。会計事務所に勤める真面目な男だった彼は、ある夜から謎の侵入者によって勝手に改造手術を施され、サイボーグとなってしまった。
彼が眠っている間に毎夜のように行われる改造手術によって、日々彼は変貌を遂げていくが、いまだそれを行っている者が誰で、なんの目的で行っているのかも謎のままだ。
だが、そのことをポジティブにとらえた彼は「サイボーグ・コジマ」として、仕事の休日を使って悪と戦っていた。

そんな小島に、また新しい悩みが発生していた。
それは、どんどん改造が加えられていくことで、その容姿が大きく変貌してしまい、彼の日常生活に支障が出てきてしまっているということだった。

道を歩けば「ロボットおたく」たちに取り囲まれ、駅で電車を待っているときも周囲はまるで異様なものを見るかのような目を彼に注いだ。コンビニでレジの順番を待っているだけで指を刺される。

「これじゃあ…大好きなキャバクラにも行けない…」

ところが、ある日テレビで特撮ヒーローものを見ていた彼の頭に、あるアイデアが浮かんだ。

「そうだ!普段は人間の姿で、必要な時に変身できるようになれば…」

早速、彼は謎の夜の訪問者に宛てて手紙を書き、眠る枕元にそれを置いておいた。
翌朝、目を覚ました小島は早速、洗面所に行き鏡を見て見ると、そこにはほとんど人間の姿に戻った彼の姿が。
そして、キッチンのテーブルの上に一通の置手紙があった。

「ご要望どおり、サイボーグに変身できるようバージョンアップしときました。変身するときは次のようにポーズを
決めてください。ポーズの順番や振りを間違えると変身できませんから、ご注意を」

そんな文面のあとには、サイボーグに変身するための「振付」がイラスト入りで書かれてある。

(なんだか…ずいぶんポーズが多いな…)

若干不安な気持ちを抱えながらも、とりあえず元通りの日常生活ができることを彼は喜び、早速、買い物に出かけることにした。昨日までのような好奇の目に晒されることもなく外を歩ける。そのことが嬉しかった。
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