また、部屋に誰かがいた
「さすがに不気味だな」

誰かが思わず、そう口に出した。そのとき、
木下のことが気になった僕が、彼がいるであろう後ろを振り返ると、
「あいつ…いないぞ」
さっきまで後ろを付いてきていたはずの木下がいない。

「おーい木下!いるかあ!」
彼の名前を大声で呼びながら暗い廊下を戻りながら探していると…

がたっ…!
近くで気配のようなものを感じた。

耳をすますと

ぎし…ぎし…
ぎし…ぎし…

時折、割れた窓から外で風が草木を抜けるザワザワという音が聞こえ、
それに混ざって、

がた…がた…

どこかからそんな音が聞こえてくる。
やがて、その音に重なるように
う…う…

なにかの呻き声のようなものが…。

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