初恋のお兄さんと私

やっぱり血筋か。
翌日から、ひっつき虫が始まった。


「先生!!阿久津先生!!」


朝から一日、トイレと授業以外はベッタリだった。


というか、大の大人が、恥ずかしげも人目も憚らず、ここまでベタベタしていいのか、と思うほど。


そして私にも、愛芽ちゃん攻撃が再開した。
もう、どうにでもなれだ。


周りもなんとなく分かってくれ、ちゃんと付き合うんなら仕方ないと諦めてくれたようだ。


身代わりにされたとか、すぐ別の男が出来るんじゃないか、という釈然としない部分はあるみたいだけれど。


七海くんの唇の感触が、まだ残っている。


そのうち顕奘さんも七海先生とキスするんだろうな。


「今度の休み、どっか行こうよ」


「どっかって??」


「映画館とか、遊園地とか。あっ、動物園もいいな、愛芽ちゃん、動物好きだし、猫カフェとかドッグカフェとかでも」


「ドッグカフェか…」


「行ったことある??」


「ううん、ない」


「じゃあ、決まり!!ドッグカフェ行こう!!」



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