ノラネコだって、夢くらいみる
第三章『イロコイ』

 
 春夏秋冬___

 様々な季節が巡ってきては、過ぎ去っていく。

 日本に四季があることを鬱陶しく思ったことしかなかったが、今となってはそれが楽しみの1つだと思える。


 この仕事を始めてから、お洒落がずっと楽しくなった。メイクやファッションにどんどん興味が湧いてきた。

 黒を貴重としたパンク系だったりゴシック調のものを好んで着ていた私だけれど、今では春先にはパステル系の色合いを使った〝ゆめかわいい〟ものを私服に取り入れてみたりしている。

 そんな時は、それに会わせて髪型もメイクも変える。

 まだ染めたことのない髪は漆黒のまま。気分でウィッグを使い、きゃりーぱみゅぱみゅみたいに、派手な装いをすることもあった。

 異系ファッションには貪欲に挑戦していった。
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