ノラネコだって、夢くらいみる
 ちなみに15の夏は、約束通りいちると花火をした。浴衣を着て、去年と同じ誰もいない河原でやったんだけど……これは2人だけの秘密だ。

 いちるは、今でも私の尊敬する先輩であり、ゲーム仲間であり、1番一緒にいて落ち着く存在。

「りんりんー!」

 街を歩けば声をかけられることも増えた。電車に乗ると、声をかけられずとも、じろじろと見られた。

 Twitterをエゴサすると、私のことを誰かが話題にしている。

 CUTEEN!のような雑誌よりも、パンク・ロック・ゴシック・ロリータ系のファッションを中心に扱った雑誌に載ることが多い私。

 ファンもなかなか奇抜なファッションをしている子が増えて、イベントでは原色カラーの髪色をした人だったり、顔面にピアスをしている人、タトゥーが入っている人、特殊な厚底のブーツをはいている人がいたりと、他のモデルさんのイベントとに顔を出す人たちとはちょっと違っていると思う。

 イベントというのは、自身初の写真集を出したのだけれど、その発売に伴ってファンの前でトークショーをして、写真集を買ってくれた人に握手をするというイベントを開いた時のことだ。
< 149 / 212 >

この作品をシェア

pagetop