ノラネコだって、夢くらいみる
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(今思い出しても、あの子、ほんと美少女だったなぁ。)
「大地に告白するって言ってた子がいたから」
「誰?」
「さぁ……名前はわからない」
「告白は全部、断ってるよ」
全部?
え、大地ってそんなに告白されているの?
「大地って理想高いんだね」
あんなに可愛い子でも不服なのかな。
「………そんなんじゃないよ」
そう答えた大地がちょっと拗ねた子供のように見えた気もしたけど、深くは追求しないことにした。
この手の話は得意ではないから。
なのにこんな話題にすり替えた私ときたら、コミュ力に乏しいにも程がある。
大地、こんな私といて、楽しいのかな?
ただ近所ってだけで昔から何かとかまってくれているけれど。
退屈じゃないんだろうか。
靴を履き替え、校舎を出るとすぐ、大地が異変に気づく。
「なんか、門のあたり騒がしくない?」