ノラネコだって、夢くらいみる
それからいちるがタクシーでうちに来て、私を乗せて車は出発した。
「鈴、すっごい不細工」
………!!
泣いて腫れてしまった目を隠そうと、慣れないメイクをしてきた。
「失礼ねっ」
「鈴はすっぴんが一番可愛いよ〜」
………いや、今、完全にお化けみたいになってるから。見たらビックリすると思うよ。
タクシーが到着した場所、それは___河原だった。
住宅街やお店の立ち並ぶ地域から外れたこの場所は、数メートルおきに立っている街灯の明かりを頼りに歩くしかない。
人だっていない。近くに駅があったようにも思えないし、車でもなければ足の便が悪いからだろう。
「じゃーん!」
車のトランクから取り出したのは、バケツ、それから大量の花火。
「夏と言えば、これだよねー」
「やるの?」
「もちろん」
そう言って、先の長い着火ライターで、さっそく1本の花火に点火するいちる。
「ちょ、こっち向けたら危ないから!」
「すごいねー、鈴。こんなに燃えるんだね」
「呑気なこと言ってないで、あっちやってよ!」
「綺麗だねー。次は2本一気に燃やそうかな」
「もう、危ないから、いちるは線香花火だけしてて!」
「あはは、鈴の恐がり」
「マジメに危ないって言ってんの!!」
マイペース王子は、花火にテンションがあがっているご様子です。
……でもまあ、気持ちはわかる。こんな暗い場所でやる花火は、格別に楽しい。家の庭でやるのとはワケが違う。
モモも呼んであげたかったな。
「鈴、すっごい不細工」
………!!
泣いて腫れてしまった目を隠そうと、慣れないメイクをしてきた。
「失礼ねっ」
「鈴はすっぴんが一番可愛いよ〜」
………いや、今、完全にお化けみたいになってるから。見たらビックリすると思うよ。
タクシーが到着した場所、それは___河原だった。
住宅街やお店の立ち並ぶ地域から外れたこの場所は、数メートルおきに立っている街灯の明かりを頼りに歩くしかない。
人だっていない。近くに駅があったようにも思えないし、車でもなければ足の便が悪いからだろう。
「じゃーん!」
車のトランクから取り出したのは、バケツ、それから大量の花火。
「夏と言えば、これだよねー」
「やるの?」
「もちろん」
そう言って、先の長い着火ライターで、さっそく1本の花火に点火するいちる。
「ちょ、こっち向けたら危ないから!」
「すごいねー、鈴。こんなに燃えるんだね」
「呑気なこと言ってないで、あっちやってよ!」
「綺麗だねー。次は2本一気に燃やそうかな」
「もう、危ないから、いちるは線香花火だけしてて!」
「あはは、鈴の恐がり」
「マジメに危ないって言ってんの!!」
マイペース王子は、花火にテンションがあがっているご様子です。
……でもまあ、気持ちはわかる。こんな暗い場所でやる花火は、格別に楽しい。家の庭でやるのとはワケが違う。
モモも呼んであげたかったな。