縁〜サイダーと5円玉と君の靴ひも〜
「ちゃんと駅まで送るのよ?」

変な人形を手に威嚇してくる在花を、はいはいとあしらいながら歩き始めた。


「あのさ・・・ごめんね、なんか巻き込んじゃったっていうか。このこと誰にも言わないでね」


「このこと?」


あんたがうちに来た事だよ・・・

姉の恩人だから失礼なこと言えないけど。


クラスの中でもぱっとしない真木陽色がうちに来たとか・・・こんな風に一緒に歩いてるとこなんて見られでもしたら本当にシャレにならないんだよ。

一番目立つ化粧臭いグループには所属できなかったにせよ、2番目ぐらいのいい位置にいるグループに所属して不都合ない学校生活を手に入れたんだから。

そこそこいい位置にいる男子に告白されて・・・付き合うっていうのが理想。

こんなところで変な噂が立って今の位置から下落してしまったら・・・


足早に駅へと向かう私に黙ってついてくる真木陽色。

身長はでかいけど、それ以外何も特徴がない。


教科書と一心同体で、むしろ机と一体化?

男子の体育とかに興味もないからあまり知らないけど、運動してるイメージなんて全くない。


「あ、俺ちょっと寄るとこあるから、ここで」


振り返ると真木陽色は大きなスポーツセンターの前で立ち止まった。


「え?」

ここに用事があるわけ?


「いや、ここに用事があるわけじゃなくて・・・ちょっと買いたいものがあるんだ。えっと・・・あっちの本屋で、参考書?」


別に知りたくないけど、参考書って。本当にがり勉。

長い前髪と眼鏡によってあまり表情が読み取れない。

この人、どんな顔してんだっけ?


「じゃあ、ここで」

私は家へと向かい歩き始めた。


本屋のある方へ歩き始めた真木陽色とは逆に私はスポーツセンターへと足を向けた。



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