愛しの魔王サマ


「俺に全ての事を教えてくれたのは、アドルフ、お前だ」

「・・・っ」

「お前にどんな意図があったとしても、俺にはそれが全てだった。お前がいなければ知れなかったことは山ほどあるだろう。お前のおかげだ」

「マオさま・・・?」




結局、お前は俺の事を魔王さまと素直に呼ぶことはなかったな。
だが、今思えばそれでよかったのだ。





「お前が付けてくれた、マオという名、気に入っていた」

「それを言うなら私の方です。マオさまは、私にアドルフという名をくださいました。これまでの魔王さまは私の事など気にも留めていなかったというのに、マオさまだけは・・・」




それはなぜなのだろうか。
これまでの目覚めてきた存在と、今回目覚めたこの俺は、別物なのだろうか。


わからない。
それでも、目覚めた時目の前にお前がいてくれて、俺はきっとホッとしたのだ。



孤独ではなかったからな。




「ずっと側にいた・・・。だからこそ、この役目は、お前がいい」

「え・・・?」




俺の大事なものたちの手で。
俺は、俺を終えたいのだ。





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