アナタの過ち
「今日誕生日しょ?おめでとう!プレゼント渡したいから会おうよ」
プレゼント。
そんな物を受けとる必要性も資格も感じない。
だから断りのメールを入れた。
人生に一度しか無い青春の高校生活なのに。
私なんかで無駄にするのはバカだよ。
もう終わりにしなよ…。
終わりにしようよ。
『…』
「買っちゃったし、とりあえず会おう。もうすぐ着くから」
今向かってるって事?私の家に?
ありえない。
それは困る。
団地は近所にバレたらすぐ広まる。
焦って電話したけど、明人は出ない。
切った後、すぐ電話が鳴った。
どうする?
切れて、また鳴り始めた。
どうしよう。
カーテンの隙間から外を見る。
『本当に来てるし…』
やばい。
玄関まで来られたらもっと困る。
鳴り続けてる電話をとった。
『なに?』
「着いたから出てきて」
『…プレゼントいらないってば!!帰って』
「買っちゃったからさ」
『返品すればいいじゃん!』
「無理だよ」
もう…!!
『…わかったよ、今行くから待ってて』
グレーのスウェットにロンTという、適当を全面に出した格好をして、私は家を飛び出した。