アナタの過ち
『…』
「海行かない?」
『やだよ、寒い』
「じゃあここで話すか」
なにそれ?
プレゼント渡して帰るんじゃないの?
『帰んないの?』
「え?来たばっかじゃん」
『あーもう…わかったよ海行こう』
「え、いいの?」
こんな所で話しなんかできないよ。
『いいから早く』
「じゃあ後ろ乗って」
そして、明人の運転する原付で私は海へ向かった。
『寒いっ』
風が冷たい。
どんどん体温が奪われてる気がする。
3月頭。気温はまだ低い。
「座ろ!」
『あぁ…うん』
そう言って選んだ場所は、風よけを考えてかテトラポットの間に空いた少し広い所。
「あ、待って」
『何?何やってんの?』
こんな寒いのに上着なんか脱いで。
「はい。この上に座んな」
『…ありがと』
「…」
『…?』
隣に座るんじゃないの?
「こうしたい」
『は?』
明人は後ろに座り、自分の足の間に私を座らせた。
そして前に手を回し…良く言うと包み込む様にして満足げに落ち着いてる。
『邪魔だし座りにくいし嫌だからやめて』
「これがいい」
『私が嫌だって言ってるじゃん!』
移動しようとしたその時。
「わかった!横にするから!」
『…』
そう言って隣なのはいいけど、近い!!
『寄りすぎ』
「だって寒いじゃん」
『ちょっ!触らないで!!』
背中とか肩とか腰とか顔とか。
「…」
「……」
『嫌だってば』
「……」
「…」
『触らないで、やめて。うざい!』
「……」
「………」
『いい加減にしてよ!』
「………」
「……」
『聞いてんの!?やめっ…』