自殺少女と花見の少年

僕の思ったこと

「じゃあ、少しだけ聞いてよ。僕が思ったことを。」



彼女は渋々といった感じで頷く。

「もし、僕が渋谷のスクランブル交差点の真ん中で殺されたとしよう。

どれだけ人と関わりたくない人であったってその場にいたら 何事か って見に行く。

そうすれば自然と僕にみんなの目線が、意識が向く。

僕が殺した側ならきっと尚更向くと思う。

でも、僕が何もされず何もせずスクランブル交差点を通ったら、誰も僕に視線は向けないし、意識を向けることもない。



僕も本当はあの日君を無視して帰るつもりだったんだ。

他に人がいなかったから意識は自然と君に向いてしまったけど。

それでも関わることなく通り過ぎようとした。


でも、君が真ん中で事件を起こしたんだ。


君が通り過ぎようとする僕に話しかけた。
そうしたから、余計に僕は君に意識と視線を向けた。

君は僕を邪魔だって思うかもしれないけど、僕達の関わりの始まりは君なんだよ。

君が自ら自分の時間を変えようとしたわけだ。



と、まぁ、これが僕が思った事」

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