見えない何かと戦う者たちへ

さーんっ!!


「では、conferenceを始めます…
デoエル!スタンバイ!」


――バシッ!――



気合いの入った言葉を発した懍に
明日香が教科書を丸めた棒で一叩きした。



「懐かしいな、最後のセリフ」

「コンファレンスってなんだっけ?」

「…会議って意味」



垣内が懐かしい懐かしいと連呼し
美結の疑問にソノがボソッと答えた。

ただいま
昼休憩。

いつものように
ソノの席の周りに各々昼ごはんを持って集合している。

だがいつもと違うことがある。

日常なら下らない話が主でだいたい世間話なのだが
今回は会議というものに一応なっている。





「…フッこの痛み、
さすがyesterday-parfum!」

――バシッ!――

「なんで、"香り"だけフランス語なんだよ(笑)
…って、それ俺の教科書じゃねーか!!」


懍は最近英語とフランス語が出てくるアニメに
はまったらしく2つを合わせて話すのだ。








「…で、
協力するっていったけど具体的に
私たちは何をすればいいの?」



明日香が話を戻した。
どうやら彼女が司会進行をつとめるようだ。

クラスの決めごとは大抵
懍が司会進行をしているが今日は大人しく座った。

垣内もどちらかと言えば
進行派なのでスムーズに終わりそうな気がする。




「そーだなぁ
まっどーせお前らのことだし
それぞれで調べたりしてみたんだろ?
なら順番に案でも出していこーぜ!」

「…そうね、じゃあ私から」





垣内の提案に明日香も同意し
一人づつ案を出し合うことにした。

驚くことに5人全員が
昨日の今日で案を出せるとこまで調べていたのだ。

垣内が進行し
明日香はそれぞれの案をメモっていた。






「よしっ、とりあえず全員案を出したな!
まだ他にあるやついるか?」







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