モテ子☆モテ男の恋愛事情。


グダグダ考えては、負のループにはまっていく。


「関係ないよ」

「えっ…?」

「俺は、ゆずちゃんが好き。それだけだから」


そう言って、俺の肩をポンと叩いた秋山は。

眉を下げて困ったような笑みを零す。


「俺は、翔が相手でも諦めたりしないよ。友だちだから諦めるとか、仲間だから譲るとか。それって、違うと思うんだ」

「秋山…」

「翔はどう? 俺のこと、もう振られてるんだから諦めろって思ったか? それとも、俺に遠慮して諦める?」


そんなこと思ってない。のに…すぐに言葉が出てこない。

俺、櫻井と付き合ってるならこの気持ちは封印しなくちゃって…心のどこかで思ってた。

諦めたくないのに。

諦めなきゃ…って。


「俺は翔と真っ向勝負したい。遠慮なんてしないし、して欲しくない。翔は…?」

「俺は……」


俺だって、諦めたくない。

秋山にも、櫻井にも、この気持ちは負けてないって思ってる。


「まあ、最終的に選ぶのはゆずちゃんであって、彼女が本当に好きな人と気持ちが通じ合えたなら、そのときは潔く諦めるけどな」


< 139 / 170 >

この作品をシェア

pagetop