モテ子☆モテ男の恋愛事情。
グダグダ考えては、負のループにはまっていく。
「関係ないよ」
「えっ…?」
「俺は、ゆずちゃんが好き。それだけだから」
そう言って、俺の肩をポンと叩いた秋山は。
眉を下げて困ったような笑みを零す。
「俺は、翔が相手でも諦めたりしないよ。友だちだから諦めるとか、仲間だから譲るとか。それって、違うと思うんだ」
「秋山…」
「翔はどう? 俺のこと、もう振られてるんだから諦めろって思ったか? それとも、俺に遠慮して諦める?」
そんなこと思ってない。のに…すぐに言葉が出てこない。
俺、櫻井と付き合ってるならこの気持ちは封印しなくちゃって…心のどこかで思ってた。
諦めたくないのに。
諦めなきゃ…って。
「俺は翔と真っ向勝負したい。遠慮なんてしないし、して欲しくない。翔は…?」
「俺は……」
俺だって、諦めたくない。
秋山にも、櫻井にも、この気持ちは負けてないって思ってる。
「まあ、最終的に選ぶのはゆずちゃんであって、彼女が本当に好きな人と気持ちが通じ合えたなら、そのときは潔く諦めるけどな」