モテ子☆モテ男の恋愛事情。
可奈たちにバレてないと思っていたことが。
まさか、秋山くんにバレていたなんて。
そのことも気になったけれど。
それよりも、そんなあたしを見ても幻滅しないでくれたこと。
そんなあたしに、好意を持ってくれたことが素直に嬉しいと思った。
「神崎さんのこと、もっと知りたい」
そんな恥ずかしい言葉も、秋山くんはサラッと言ってしまう。
本人はいたって真面目で。
「だから、友だちから…ダメかな?」
真っ直ぐな瞳があたしを捕らえて。
ダメかな? なんて少し小首を傾げた感じがなんだかおねだりされてるみたいで。
そんな捨てられた子猫のような瞳で見つめられたら、もう逃げられなくなってしまう。
鋭かったり、力強かったり。
かと思えば、どこか不安定で、弱々しかったり。
そんな彼の瞳に捕らえられたら、逃げられなくなってしまう。
すごく目力のある人だ…
こんなふうに男の人と見つめうことにも不慣れなあたしには、ドキドキと胸を高鳴らせるのに十分だった。
友だちから。
その申し出に答えることが正しいのかわからなかった。
今のあたしには、これっぽっちも秋山くんに好意を抱いていないのだから。