モテ子☆モテ男の恋愛事情。


あーぁ。

やだな。

こんなふうにしか思えない自分。


愛美を困らせるつもりはなかったけれど。

結果として、あたしの言葉に困ってる愛美が目の前にいて。

友だち想いの彼女は、あたしの前に泣きそうな顔をしてくれる。


「そんな悲しいこと言わないで…?」


立ち上がった愛美は、あたしの隣に回りこんで。

フワリと包み込むようにあたしを抱きしめてくれる。


「愛美…」


ゆっくりと優しく、あたしの背中を擦ってくれる愛美の体温が気持ちよくて。

あたしよりも小さな愛美に自分の身体をあずけた。


「ゆずにはいっぱいいいところがあるよ。見た目だけなんて、そんなことみんながみんな思ってるわけじゃないよ。」


意外とサバサバした性格なこと。

負けず嫌いなところ。

大口開けて笑うところ。


愛美は背中を擦りながら。

1つ1つ、あたしの好きなところを上げてくれる。

そんな愛美の声を目を閉じたまま聞いていた。


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