モテ子☆モテ男の恋愛事情。


でも、遅い。

完全にノーマークだったあたしに入ったパス。

そんなに得意ではないけれど。

ノーマークのこのタイミングならと、流れるようにシュートを放つ。

スリーポイントシュート。

これは、昔、泰くんから教わったものだ。


「ナイッシュ!」


イエーイ! とハイタッチをするあたしと泰くんを見て。

悔しそうな顔をする隼人たち。

それがまた快感で、あたしたちは大口をあけて笑った。


そんなふうにバスケを楽しむことで、さっき少しだけ感じたソワソワした気持ちもすっかりと消えて。

やっぱり、ここでこのメンバーでみんなでバスケをすることが楽しいと再確認していたのに。


「わりっ、ちょっと抜けるわ」

「えっ!?」


その言葉に誰よりも早く反応してしまったのはあたしだった。


「ゆず、これ借りるぞ」


あたしと目が合った隼人は、あたしの私物のタオルを首にかけてそのまま公園の入り口のほうへと歩いていってしまう。


…それ、お気に入りなのに。


大男には似合わないピンクのタオル。

まだ貸すとは言ってないのに、隼人は当たり前のようにそれを持っていってしまう。


もう…! なんて怒ったフリをしても。

実際は、そんなのどうでもよくて。


また、ココロがザワザワと音を立てだす。


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