モテ子☆モテ男の恋愛事情。
「隼人、どこ行くんだ?」
「ん、ダチが来るから迎えいってくる」
誰かの問いに、誰かが答える。
ダチって、誰?
不意に思い出された『翔』と言う単語。
同じ中学の中に、あたしの知っている限りでは『しょう』と言う名前の友だちはいなかったはずだ。
まさか、ね。
だって、地元だって違う。
ここから自転車でいっても20分から30分くらいはかかる隣町。
さっきの電話からまだ15分たっていないことを考えると、“彼”の確立は低くなる。
そのことにホッとしてるはずなのに。
なぜか少し残念だと思う自分に慌てて頭を振った。
泰くんとあたしのペアを潰しにかかってくる他の男子たちから、なんとかボールを死守して。
今度は泰くんがシュートを決める。
泰くんは約束通り、あたしに何度もパスを回してくれて。
それに応えるようにシュートを放つ。
マークをされてしまえば、さすがに男子相手に太刀打ちは出来ないけれど。
それでも、何も考えないようにボールだけを無心で追いかけた。