Another moonlight
アキラはただ純粋に愛されたかったのだとマナブは思う。

だけどどんなに深く愛されても、真剣に向き合おうとしてもカンナを愛せなくて、アキラは苦しんでいる。

アキラは他の誰でもなく、ユキに愛されたかったのだから。

疲れのにじむアキラの頬がやけに痛々しくて、マナブはそっと目をそらした。

「ホントにバカだな、アキ…。ユキちゃんのこと、そんな簡単に忘れられるくらいなら、こんなに長い間なんも言わねぇでそばにいたりしなかっただろう?」

「オレがバカなのはオレ自身が一番よくわかってるよ…。だけどどうしようもねぇじゃん。こんなに長い間自分の気持ちも伝えずに一緒にいてさ…ユキが他の男と幸せになんの、指くわえて見てろってのか…?」

アキラの肩が小さく震えている。

アキラはユキが結婚するのを知って、ユキをあきらめるつもりだったのだとマナブは気付いた。

ずっと連絡を取っていなかったので、アキラはユキの結婚話について何も知らない。

マナブはタバコに火をつけて、吐き出した煙を眺めながら少し考えた。

ユキが結婚しないと知ったら、アキラはどうするだろう?

「ユキちゃんな…結婚すんの辞めるって。」

「えっ…なんで…。」

アキラは驚いた様子で顔を上げた。

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