Another moonlight
「そんなことはアキに言われなくてもわかってるっつーの。でもな…ハルを幸せにしてやれんの、オレしかいねぇんだってさ。」

リュウトは当たり前のようにそう言うけれど、アキラにはやはり、小さい頃から可愛がっていた姪のハルと結婚すると言うリュウトが信じられない。

「なんだそれ…ハルがリュウのこと大好きなのは知ってるけど…リュウはそれでいいのか?」

「当たり前だろ。」

リュウトは笑ってキッパリ答えた。

「えっ…リュウ、本気でハルに惚れてるのか…?」

「まぁ…30過ぎたいい大人のオレが、18も歳離れた小娘のハルに本気になるなんてカッコ悪いけどな。オレを幸せにできんのもハルだけだ。」

いつになく穏やかなリュウトの表情を見て、リュウトは本気でハルを好きなんだとアキラは思う。

(リュウのこんな幸せそうな顔、初めて見たな…。)

アキラは、二十歳の頃に叶わない片想いに胸を痛めていたリュウトの悲愴な面持ちを思い出した。

あの頃リュウトは、本当はどうしようもないくらい彼女のことが好きなのに、優しい彼氏のいる彼女の幸せを壊したくないから自分の気持ちを伝える気はないと言っていた。

気持ちを伝えることで、幼馴染みの彼女に笑って会えなくなることをリュウトがおそれていたことを、アキラは知っている。

それはアキラ自身の気持ちにも重なって、いつも胸が痛かった。

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