オオカミ御曹司に捕獲されました
「こんな夜遅くに何の用だ?」

冷たい言葉を返すが、何も動じない妹はフッと口元に笑みを浮かべる。

「お母様がお兄様にこれを持っていくようにって」

カメラ越しに妹が桃を見せる。

だが、これが目的で来たとは思えない。

「帰れ」

冷ややかに言い放つと、妹は含み笑いをした。

「あら、そんな事を言っていいのかしら?せっかくお兄様が欲しい情報を持ってきましたのに」

情報?

ひょっとして……江口さんの?

「早く開けて下さい。不審者に思われてしまいますわ」

「わかった」

仏頂面で言ってロックを解除し、玄関に向かう。

またインターフォンを鳴らされると梨花が起きると思い、玄関の鍵を開けて玄関前で妹を待ち構えると、数分で妹が現れた。
< 187 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop