オオカミ御曹司に捕獲されました
「ホント、杉本さんは美形だね。眼福、眼福」

画像を見ながらおばあさんはご満悦。

「杉本君、ごめんね!」

梨花が手を合わせて申し訳なさそうに俺に謝る。

「そんな謝らないでよ。俺も楽しんでるから」

ポンと左手を梨花の頭の上に置いて撫でる。

そんな俺達の様子を笑顔で見ていたおばあさんは、ソファーからゆっくり立ち上がった。

「私の部屋に来るかい?ちょうどさっき美味しいお菓子を頂いてね」

「うん、そうだね。そうしようか」

梨花が慣れた動作でソファーの近くに置いてあった杖をおばあさんに手渡す。

おばあさんは、足の具合が悪いのだろうか。

「では、行こうか」

杖をついて歩くおばあさんの横を梨花が歩き、二人の後ろを俺が歩く。
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