オオカミ御曹司に捕獲されました
一緒に育った家族ならなおさらだろう。

「江口さん、そろそろ二次会に行きませんか?」

今日の幹事の男性社員が俺に声をかける。

二次会か。

杉本さんをこのまま放置ってのは怖いしな。

杉本の言いなりになるのは気に食わないが仕方がない。

「悪いが、杉本さんを送って行かないと。これでみんなで楽しんでくれ」

スーツの内ポケットから長財布を出すと、三万程取り出して幹事に渡す。

「うわあ。こんなに。江口さん、ありがとうございます!」

満面の笑顔で礼を言う幹事に軽く頷くと、俺は杉本さんに目を向けた。

「じゃあ、杉本さん、ここを出よう」

「はい」

コクリと頷いて返事をする杉本さん。

それから課のみんなに別れの挨拶をして店を出るが、杉本さんの様子がおかしかった。
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